窓やサッシも雨風や紫外線によるダメージを受けて、日々劣化が進行しています。劣化を放っておくと、周辺の建材にまで被害が及んだり、雨漏りに発展する可能性もあるため、異常を見つけた時は早めの対処が重要となります。
今回は、窓やサッシに関する修理方法、費用相場などをご説明いたします。どのような建物でも必ず窓は設置されていますので、必要なメンテナンスについてしっかりと理解しておくようにしましょう。
天窓（トップライト）とは、屋根に設置されている窓のことを指します。プライバシーを守りながら、多くの自然光を室内に採りこめるメリットがあります。
ただし、採光性に優れていますが、雨漏りや結露が発生するリスクが高いため、こまめな点検・メンテナンスが必要となります。
■シーリング・ゴムパッキンの劣化
天窓には、窓ガラスと窓枠の隙間を埋めるように、シーリングやゴムパッキンが施されています。シーリングやゴムパッキンは経年劣化によって剥がれや割れなどを引き起こしてしまいます。
そして、これらの症状を放置していると、窓ガラスと窓枠の隙間から雨水が浸入し、内部の腐食や雨漏りに発展します。
■排水の不備
天窓の周りに落ち葉や泥、ゴミなどが溜まっていくと、屋根に降った雨が正しく排水できなくなります。排水に問題が生じると、溜まった雨水が原因でシーリングやゴムパッキン、板金、窓枠などの劣化が進行してしまいます。
さらに、長期的に排水できない状態が続くと雨漏りや建材の腐食にも繋がり、建物の耐久性にも影響が出てしまう恐れがあります。
■防水シートの劣化
天窓の下には防水シートと呼ばれる、雨水の浸入を防ぐ為のシートが敷かれています。シーリングや板金の劣化・破損が起きると、内部に施工された防水シートが傷む原因にもなり、最終的に防水シートに穴や破れが発生します。
防水シートは、内部に雨水が浸入するのを防ぐ非常に重要な役割を果たしているため、防水シートの機能が失われると、雨漏りするリスクが一気に高まってしまいます。そのため、早急な対処が必要です。
■定期清掃
屋根に落ち葉やゴミなどが溜まっている場合は、清掃を行います。定期的に実施することで、天窓の寿命を延ばしたり、雨漏り発生のリスクを減らすことに繋がります。
天窓の清掃にかかる費用は2～5万円程度が相場でが、屋根を一部取り外す作業などが必要になる場合は、10万円以上かかるケースもあります。
■シーリング・ゴムパッキンの補修
シーリングやゴムパッキンの劣化が進んでいる場合は、既存のシーリング・ゴムパッキンの上から新しいシーリング材を足したり、既存のシーリング・ゴムパッキンを全て撤去して、新たにシーリング材を埋め直すなどの方法で修理します。
費用は施工範囲や修理方法などによって変動しますが、2～10万円程度が相場です。
■防水シートの交換
防水シートの劣化や破損が起きている場合は、防水シートを新しいものに交換します。防水シートを施工する際は隙間ができないように作業を行い、最後にシーリングや板金を施して防水性を高めます。
防水シートの交換にかかる費用は、施工範囲や下地の状況によっても異なりますが、7～15万円程度が相場です。
■ガラス・枠の交換
窓ガラスの割れや窓枠の破損などがみられる際は、これらを新しいものに交換します。
天窓全体の交換を要する場合は、既存の天窓を外してから、新しい天窓に合わせて屋根のサイズを調整します。そして、防水シートやシーリングなどを施工して完成です。
天窓の交換にかかる費用は、大きさや劣化状況などによっても異なりますが、50～100万円以上が相場です。
■天窓（トップライト）を撤去して塞ぐ
雨漏りや結露のリスクを軽減させる為に、天窓自体を撤去する方法もあります。撤去後は、天窓が取り付けられていた部分に防水シートや屋根材を設置して、屋根を塞ぎます。
天窓の撤去費用は、施工範囲や使用する屋根材などによっても変動しますが、25～100万円程度が相場です。
出窓とは、部屋の外側に突き出して作られた窓を指します。採光性や通気性を向上させたり、室内を広く見せることができるメリットがあります。
ただし、窓が突き出ている状態なので、通常の窓よりも雨風の影響を受けやすい傾向にあり、雨漏りするリスクも高くなります。
■シーリング劣化
構造上、出窓のサッシと外壁の接合部にはどうしても隙間ができてしまうため、その隙間を埋めるようにシーリング材が充填されています。
シーリングは紫外線の影響によって劣化し、時間の経過とともに割れや剥がれなどが現れます。シーリング劣化を放っておくと、やがて内部に雨水が浸入する恐れがあります。
■庇（ひさし）の劣化
庇とは窓の上に取り付けられている小さな屋根を指します。出窓に設置された庇は「小庇（こひさし）」と言います。
庇の役割は、窓に雨風や紫外線が直接当たるのを防ぐことです。しかし、庇自体も雨や紫外線によって劣化していき、劣化が進むと塗膜の剥がれや錆の発生、建材の破損などに発展してしまいます。
■サッシやガラス周りの結露・水滴
出窓が外に突き出している構造のため、気密性や断熱性に劣る傾向にあり、結露が発生しやすいデメリットがあります。
結露や水滴が付着している状態が長く続くと、窓枠や周囲の外壁材の腐食やカビの発生などに繋がるため、注意が必要です。
■シーリング補修
シーリングの剥がれやひび割れが起きている場合は、シーリングの補修が必要となります。
補修方法は「打ち増し」と「打ち替え」の2種類あります。打ち増しは、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を足す方法で、打ち替えは既存のシーリングの撤去して新しいものに交換する方法です。
どちらを選択するかは劣化状況や業者次第です。既存のシーリングを撤去する際に、窓の下に施工している防水シートが破けるリスクもあるため、必ずしも打ち替えの方が良いとは言い切れません。
シーリング補修の費用は、施工範囲や修理方法によっても異なりますが、1万円～10万円程度が相場です。
■出窓周辺の外壁の補修
出窓周辺の外壁にひび割れが起きていると、雨水が浸入する恐れがあるため、ひび割れ補修を行います。
補修方法は劣化具合によって変わり、髪の毛程度のヘアークラックと呼ばれるひび割れであれば、塗装で亀裂を埋める方法で補修できます。
それ以上の大きなひび割れの場合は、亀裂にシーリング材を充填して、ひび割れを埋める方法を用いります。
外壁のひび割れ補修の費用は、軽度であれば1万円～10万円程度が相場です。症状が広範囲にわたっていたり、外壁材の張り替えを要する場合は、30万円～150万円程度かかる可能性もあります。
■庇(ひさし)の修理
庇の修理方法も劣化状況によって異なります。塗膜の剥がれや汚れ、軽度なサビであれば塗装によるメンテナンスが可能です。
対して、劣化が全体的に広がっている場合や庇自体に破損が見られる時は、庇のカバー工法や交換が必要となります。カバー工法とは、既存の庇の上から新しい庇を作る方法のことです。
費用は、塗装2万円～5万円程度、カバー工法は5万円～15万円程度、庇全体を新しいものに交換する場合は10万円～40万円程度が相場となります。
■出窓の交換
出窓全体の劣化や腐食は、窓枠を部分的に交換したり、出窓そのものを交換する作業が必要となります。
交換にかかる費用は、部分的なものであれば3万円～10万円程度、出窓全体の交換を行う場合は、10万円～30万円以上が相場です。
サッシとは、窓と外壁や屋根の接合部に取り付けられている枠のことを指します。現在はアルミサッシが主流ですが、樹脂サッシを採用する住宅も増えてきています。
サッシには防水性や断熱性を高める役割があり、窓を構造するうえで必要不可欠なパーツとなります。そのため、定期的に劣化や破損がないかを確認し、適切なメンテナンスを行うことが大切です。
■結露による腐食やカビ
結露が起きやすい場所や湿気が多い立地環境では、水分によってサッシの腐食やカビを誘発してしまう可能性があります。
また、腐食が進むとサッシの機能も低下し、窓の開閉がしにくくなったり、劣化によって生じた隙間から雨水が浸入することも考えられます。
■シーリング・ゴムパッキンの劣化
サッシと外壁や屋根の接合部には、シーリングやゴムパッキンが施工されています。そして、シーリング・ゴムパッキンは紫外線の影響を受け続けると、剥がれや割れを引き起こしてしまいます。
シーリングやゴムパッキンは、接合部に生じる隙間から雨水が浸入するのを防ぐ役割を担っているため、シーリングやゴムパッキンの劣化を放置していると雨漏りに発展する恐れがあります。
■シーリング・ゴムパッキンの補修
シーリング・ゴムパッキンの劣化が進行している場合は、新しいシーリング材を充填します。
前述したように、シーリング補修の方法は2通りあり、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を足す「打ち増し」と、既存のシーリングの撤去して新しいものに交換する「打ち替え」のどちらかを選択します。
シーリング・ゴムパッキンの補修費用は施工範囲にもよりますが、5万円～10万円程度が相場です。
■防水シートの貼り替え
サッシ周辺の外壁内部に設置されている防水シートに穴あきや破れが発生している際は、防水シートを新しいものに交換します。
一度、外壁材を撤去する必要があるので費用も高額になりやすく、施工範囲や外壁材の種類などによっても変動しますが、50万円～200万円以上が相場となります。
■サッシの交換
サッシ自体の劣化が進行していたり、破損している場合は、サッシの交換を行います。
修理方法は、既存のサッシの上から新しいサッシを取り付けるカバー工法や、既存のサッシを撤去して新しいものに交換する方法があります。
費用は窓の大きさや素材などによっても異なり、5万円～20万円程度が相場となります。
雨戸とは、雨風から窓やサッシを守るために取り付けられた板戸のことです。台風や強風時に、窓ガラスが割れたり、室内に雨が入り込んしまうのを防ぐ目的があります。
また、防寒対策やプライバシー保護の働きもしています。さらに、窓から空き巣などが侵入するの防ぐ効果もあり、防犯性能の向上にも繋がります。
■腐食・サビ
木製の雨戸は水分に弱く、濡れた状態が続くと腐食に繋がる可能性があります。また、金属製の場合はサビが発生しやすく、サビが悪化するとこちらも腐食や穴あきに発展してしまいます。
■紫外線による塗膜劣化
雨戸を保護したり、防水性を向上させる目的で塗装を行う場合もあります。塗装は紫外線の影響で徐々に劣化していき、やがて塗膜の剥がれやひび割れなどの症状が現れるようになります。
塗膜の劣化をそのまま放置している、雨戸自体の劣化や腐食に繋がるため、早めに塗り替えを行って塗膜による保護機能を復活させることが大切です。
■塗装
塗膜の剥がれや汚れ、軽度なサビなどは塗装によるメンテナンスを行います。その際、汚れや古くなった塗膜、サビ、コケなどを綺麗に除去してから塗装作業に移ることが重要です。
下地処理を怠ると、塗装後すぐに剥がれたり、サビが再発するなどのトラブルに発展する可能性があります。
雨戸の塗装費用は、1枚当たり2,000～5,000円程度が相場です。
■部分交換
戸車やレールなどの部品が劣化・破損している場合は、部分的な交換で対応可能です。
費用は修理内容によって異なりますが、戸車の交換費用であれば3万円程度、レールの交換は1万円～5万円程度が目安となります。
■雨戸本体の交換
劣化が広範囲にわたっていたり、雨戸自体に破損や歪みなどが見られる場合は、雨戸の交換を行います。
雨戸の交換にかかる費用は、大きさや使用する素材によっても変動しますが、2～5万円程が相場です。
■雨戸からシャッターBOXに交換
雨戸からシャッターBOXに交換するのも、手段のひとつです。利便性やデザイン性の向上に繋がります。
既存の雨戸の撤去・シャッターBOXの新設費用は、大きさやシャッターBOXの性能によっても異なり、10万円～30万円程度が相場となります。
戸袋とは、雨戸やシャッターを収納する場所のことを指します。雨戸やシャッターを収納することで、建物の外観も綺麗に保てるのはもちろん、雨戸やシャッターの劣化を抑えられるメリットがあります。
日頃から戸袋の劣化状態を気にされている方は少ないかと思いますが、生活環境を整えるうえで大切な働きをしていますので、定期的なメンテナンスを心がけるようにしましょう。
■腐食・サビ
戸袋に使用されている金属製の部品が、雨や湿気の影響を受け続けるとサビが発生します。
サビは放置していると広範囲に広がっていき、やがて建材の腐食を引き起こしてしまうため、小さなサビでも早めに対処することが大切です。
■木製部分の腐朽
木製の戸袋は水分や湿気に弱いため、シロアリやカビの発生、木材の腐食などのトラブルに発展する可能性があります。
これらの症状を放っておくと、外壁から建物全体に繋がる恐れもあるため、ただの戸袋の劣化だからと軽視せずに早めに修理しておくと安心です。
■シーリングの劣化
戸袋と外壁の接合部には、隙間を埋める為にシーリング材が施工されています。シーリングは紫外線の影響によって剥がれや割れなどを引き起こすため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
シーリングの劣化を放置していると、隙間から雨水が浸入し、建材の腐食や雨漏りの発生に繋がってしまいます。
■塗装
塗膜の色褪せや汚れ、剥がれ、軽度なサビであれば、塗り替えによるメンテナンスが可能です。
塗装の際は、汚れや古い塗膜などを綺麗に洗い流し、サビもしっかりと除去します。下地処理が不十分な状態で塗装を進めると、早期の剥がれやサビの発生などの原因となってしまいます。
戸袋の塗装にかかる費用は、千円～5,000円程度が相場です。
■戸袋の交換
戸袋の劣化が激しい場合や破損、歪みなどが見られる際は、戸袋を新しいものに交換する必要があります。
戸袋の交換にかかる費用は大きさや使用する素材などによっても変動し、10万円～30万円程度が相場となります。
窓用シャッターBOXとは、窓に取り付けられたシャッター本体を巻き取り・収納するための装置のことを指します。
役割は上記でご説明した戸袋と同じく、窓を守るシャッターの劣化を防いだり、美観向上などの効果があります。
窓用シャッターBOXのは2種類あり、手動でシャッターを開閉するタイプと、電動で巻き取ってくれるタイプから選べます。
■雨水や湿気によるサビ・腐食
シャッターBOXは金属製のため、雨や湿気によってサビや腐食を引き起こす可能性があります。サビや腐食を放っておくと、シャッターBOXとしての機能が果たせなくなり、シャッター自体にダメージを与えてしまいます。
■巻き取り機構の摩耗
シャッターBOXは様々な部品から作られており、経年劣化によってシャッターを巻き取るためのモーターやベルトなどに問題が生じるケースがあります。
各部品の摩耗が進むと、シャッターを正常に巻き取ることができなくなったり、作動時に異音が発生するなどの不具合がみられるようになります。
■塗装
塗膜の剥がれや色褪せ、汚れ、軽度なサビが起きている場合は、塗り替えを行って機能を回復させます。
塗装の前に、汚れや古くなった塗膜、サビをしっかりと除去することが重要です。下地処理を怠ると、塗装後すぐに塗膜の剥がれたり、サビが発生する恐れがあります。
窓用シャッターBOXの塗装費用は、大きさや使用する塗料などによっても変動しますが、8,000円～15,000円程度が相場です。
■部分交換
レールや戸車、ベルトなどの部品に劣化・破損などの異常が三らえる場合は、部分的な交換で対応します。
費用は作業内容によっても異なりますが、1万円～3万円程度が目安となります。ただし、バネ部の交換などが必要な場合は、5万円～8万円程度かかる可能性もあります。
■シャッター本体の交換
シャッター本体に破損やへこみ、変形、広範囲にわたるサビや腐食が起きている場合は、シャッター・シャッターBOXを交換する必要があります。
交換費用は大きさやシャッターの種類によって異なり、手動シャッターであれば3万円～8万円程度、電動シャッターの場合は15万円～20万円程度が相場となります。
窓やサッシ、雨戸、シャッターBOXなど住宅には様々な役割を持つ設備が備え付けられています。
これらの劣化は、建材の腐食や雨漏り、シロアリやカビの発生などにも繋がるため、外壁や屋根と同じように定期的なメンテナンスが必要となります。
ご自身で劣化状態を確かめるのは難しい部分も有るかと思いますので、まずは専門業者に調査を依頼するようにしましょう。もし気になる劣化症状や異常を感じることがございましたら、弊社までお気軽にご相談ください。
お気軽に
満足度93.2％！
