雨樋は普段あまり意識しない部分かもしれませんが、雨樋が正しく機能しないと雨水がうまく排水されず、建材の劣化や雨漏りなど様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
そのため、お客様自身でも雨樋の重要性や修理の必要性について知っておくことは大切です。今回は雨樋の役割や種類、雨漏りに繋がる症状、修理方法などについてご説明いたします。
雨樋の最大の役割は、屋根に降った雨水を一箇所に集めて、地面や下水へ効率的に排水することです。
もし雨樋が無いと雨が屋根から直接地面に流れ落ちていき、排水が滞るのはもちろんのこと、家の周りに水溜りができたり、勢いよく流れ落ちた雨で周囲が汚れてしまいます。
雨水を適切に排水しないと屋根に降った雨が外壁を伝って流れ続け、やがて外壁にコケやカビが発生したり、基礎の腐食、雨漏りなどを招く恐れがあります。
雨を正しく排水することは、外壁や基礎などを守ることにも繋がるため、雨樋の機能は住宅にとって欠かせないものになります。
雨水が外壁を伝っていくと建物に水垢や黒ずみが発生し、美観が損なわれる原因になります。建物の外観を綺麗な状態で維持する為にも、雨樋は重要な存在と言えます。
雨樋には大きく分けて、横方向に設置する「軒樋（のきどい）」と、縦方向に設置する「竪樋（たてどい）」の2種類あります。ちなみに、竪樋のことを「縦樋」と表記されている場合もありますが、これらは全く同じものを指しています。
屋根の先端部分に水平に取り付ける雨樋のことです。屋根に降った雨はこの軒樋に集められ、軒樋から竪樋へと流れていきます。
軒樋の形状は主に「丸型」と「角型」の2種類あり、丸型はスタンダードなタイプで、シンプルなデザインと水の流れがスムーズな点が特徴です。
角型は名前の通り角張った形状で、スッキリしたデザインが特徴的です。丸型よりも多くの雨を排水できるため、降水量が多い地域や屋根が大きい住宅に向いています。
竪樋とは、建物の外壁に沿って垂直に取り付けられた雨樋のことです。軒樋に集められた雨を地面や下水へ排水する働きをしています。
雨樋に使われる素材には様々なものがあります。それぞれの特徴は次の通りです。
塩化ビニール樹脂は価格が安く、軽量で組立てもしやすいので、様々な建物に採用されています。一般的によく使用されている素材なので、形状やデザインなども豊富に揃っています。
デメリットは、紫外線に影響で割れやすいという点です。そのため、定期的な点検や修理は欠かせません。
ガルバリウム鋼板は金属製の中でもサビが発生しにくく、耐久性にも優れている特徴を持っています。金属ならではスタイリッシュなデザインも魅力的です。
ただ、上記でご紹介した塩ビと比較すると費用がやや高めです。また、サビにくい素材ではありますが、全くがサビが発生しないというわけではありませんので、定期的なメンテナンスは必要となります。
ステンレスはサビが発生しにくく、非常に耐久性が高いのが特徴です。強度もあるため、台風が多い地域に適しています。
デメリットは、価格が高めな点です。また、ガルバリウム鋼板と同様にサビは発生しにくいですが、金属製ではあるため、絶対にサビないとは言い切れません。
銅は日本建築にマッチした素材で、お寺や神社などによく用いられています。軽量で加工がしやすいのが特徴がです。
また、緑青（ろくしょう）と呼ばれる青緑色のサビが発生しますが、サビだからといって悪いものではありません。緑青には銅の酸化を抑えたり、腐食を防止する効果があります。
銅は耐久性には優れていますが、価格の高さがデメリットです。
雨樋に落ち葉やゴミなどが溜まると、雨水が正常に流れて行かずに雨水が溢れ出し、溜まった雨水が勢いよく地面や外壁に落ちて、建物を汚してしまう恐れがあります。
もし雨水や地面に跳ねた泥などが周囲の建物にも飛んでしまうと、ご自身の問題だけでなく、ご近所トラブルにも発展しかねないので注意が必要です。
一般的によく使われている塩ビ製の雨樋は、紫外線の影響によって割れやヒビが生じやすいです。
また、大雪や台風などの衝撃で破損するケースもあり、そうなると雨樋としての機能を果たせずに、雨が思わぬところに流れだしてしまう可能性があります。
強風や積雪の重み、経年劣化によって雨樋が変形したり、固定金具が外れることがあります。変形やズレが起こると雨樋の勾配に問題が生じて、正しく排水ができなくなります。
また、排水できずに溜まった雨水が原因で建材の劣化が進行したり、急に雨水が溢れ出してしまうケースも考えられます。
雨樋は複数のパーツを組み合わせて作られているため、樋と樋の接合部や竪樋との接続部分に隙間ができてしまうと、そこから雨水が溢れ出してしまいます。
繰り返しお伝えするように、雨水が溢れ出すと外壁や基礎が濡れてしまい、汚れの付着や雨漏りなどの原因となってしまいます。
雨樋の修理方法は状況によって異なります。また、雨樋が高所に位置する場合は、足場代が20万程度かかります。
雨樋から雨水が溢れ出している場合は、落ち葉やゴミなどが詰まっている可能性があります。その際は、原因となる落ち葉やゴミ、泥などを綺麗に除去します。
雨樋の清掃にかかる費用は、部分的な作業であれば数千円～が相場です。
劣化や破損が部分的な場合は、その箇所だけ修理や交換が可能です。
部分的な周囲・交換にかかる費用は施工内容や範囲などによっても異なりますが、数千円～5万円程度が相場となります。
雨樋全体に劣化や破損が発生している場合は、まるごと新しいものに交換します。
交換費用は施工面積や使用する素材などによって変動し、10万円～40万円程度が相場となります。
雨樋には、屋根に降った雨水を効率的に集めて排水するという重要な役割があります。定期的な点検や清掃を怠っていると、詰まりや破損などを引き起こし、外壁・基礎の劣化進行や雨漏りに繋がるため注意が必要です。
外壁・屋根と同じように、雨樋のメンテナンスも住宅を守るうえで欠かせませんので、破損や異常が見られる場合は早めに専門業者に状況を確認してもらうようにしましょう。
弊社でも豊富な雨樋修理の実績を基に、建物やお客様の希望に合った提案をさせていただきますので、もし気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
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