屋根修理について調べていると「破風(はふ)」「破風板(はふいた)」という言葉をよく見かけるのではないでしょうか。
外壁や屋根ほど目立たない部位ですが、雨風を防ぎ、屋根全体の美観や耐久性を支える重要な役割があります。
今回は、破風の必要性や劣化症状、修理方法、費用相場などを詳しく解説していきます。
破風とは、屋根の端部に取り付けられている板材のことを指します。雨樋がついていな妻側に設置されており、次のような役割を果たしています。
屋根の端が露出していると、そこから雨水が内部に入り込んでしまう恐れがあります。破風板があることで雨水の浸入防ぎ、屋根内部や外壁の腐食や雨漏りを防止します。
台風や強風の際に屋根内部に風が吹き込むと、屋根材がめくれあがったり、内部構造にダメージを与えてしまいます。破風板はその風の侵入口を塞ぎ、風から屋根を守る働きもしています。
破風には建物の外観を整える役割もあります。破風板の材質や色の選択によって建物全体の印象も変わり、デザイン性の向上にも繋がります。
無垢材や合板など木製の破風は、和風建築や昔の住宅で多く使用されている素材です。加工しやすく、デザイン性にも優れています。
デメリットは水分や湿気に弱いため、定期的に塗装をして防水性を高める必要がある点です。また、劣化が進行すると、腐食やシロアリの発生などに繋がるリスクもあるため、注意が必要となります。
ガルバリウム鋼板やアルミなどの金属製の庇も使われます。軽量で耐久性が高いのが特徴です。また、破風に使われる金属素材は、サビが発生しにくいものが用いられることがほとんどです。
ただ、全くサビが発生しないわけではないので、定期的なメンテナンスは欠かせません。また、価格がやや高めという点もデメリットとして挙げられます。
窯業系とは、セメントや繊維質を原料とした素材です。耐火性に優れ、木材よりも腐食や火災被害のリスクが低いのがメリットです。
ただし、吸水性を持っているため、定期的に塗装をして表面を保護する必要があります。
破風は雨が当たりやすい部分のため、時間の経過とともに劣化が進んでいきます。特に木製の場合は、腐食やシロアリが発生しやすいです。
破風は紫外線を受けやすいため、経年劣化によって塗膜の割れや剥がれを引き起こします。
塗装が剥がれると、塗膜による保護機能が失われて建材そのものがむき出しになり、さらに劣化が進行する原因となってしまいます。
台風や強風が起こると、破風の劣化スピードも早くなっていきます。また、釘やビスが緩んだり、飛来物によって破損するケースもあります。
自然災害はいつ起こるかわかりませんので、定期的に点検・メンテナンスを行い、被害を最小限に抑えられるように対策しておくことが大切です。
塗膜の劣化や汚れ、軽度のサビなどは、塗装によるメンテナンスを行います。
塗装する際は、汚れや古い塗膜、サビ、コケなどをしっかりと洗い流してから、下塗り・上塗りと進めていきます。サビの除去を怠ると、早期にサビが再発してしまいます。
塗装の費用は使用する塗料などによって異なりますが、1mあたり800円~1500円が相場です。
木製の破風板に劣化が見られる場合は、金属板金巻きを行います。金属板金巻きとは、既存の破風板の上からガルバリウム鋼板を貼り付ける修理方法のことです。
ガルバリウム鋼板を施工する際は、既存の破風板のサイズに合わせてしっかりと巻き付け、ビスなどで固定した後に、隙間をシーリング材で埋めていきます。
金属板金巻きの費用は、1mあたり3,000円~5,000円程度が相場です。
広範囲にわたって腐食や破損が起きている場合は、破風板そのものを交換する必要があります。この時に、木材から金属製へ変更することで、耐久性をアップさせることも可能です。
破風板の交換にかかる費用は、使用する素材や下地の状態などによっても異なりますが、1mあたり4,000円~6,000円程度が相場です。
破風・破風板は、屋根の端を守る大切なパーツです。雨風や紫外線から建物を保護し、住宅の美観を向上させる役割を担っています。
破風の劣化や破損は建物全体の耐久性に影響し、雨漏りの発生や木材の腐食、シロアリの発生など様々なトラブルに発展する恐れがあります。
ご自身で状況を確認するのは難しい部分ですので、定期的に専門業者に点検・メンテナンスを依頼することが大切です。劣化が気になる場合や現在の状況をチェックしたいという方は、ぜひ弊社までご相談ください。