雨漏りの調査・修理方法には様々なものがあります。原因を究明することで、適切な修理を行うことができます。
もし調査に不足があったり、誤った方法で修理をしてしまうと、すぐに雨漏りが再発したり、別の場所から雨漏りするなどのトラブルに繋がります。
今回は、雨漏りの原因や調査(点検)方法、修理方法についてご説明いたします。
雨漏りの原因や雨の浸入経路は様々です。屋根から雨漏りする原因は、主に次のようなケースが挙げられます。
屋根材の破損はズレは、台風や地震などの自然災害、経年劣化によって発生します。破損やズレを放置していると、隙間から雨水が内部に浸入して雨漏りに繋がってしまいます。
現在主流のスレート屋根やガルバリウム鋼板だけでなく、日本瓦のような耐久性の高い屋根材でも割れやズレは起こり得るため、定期的な点検・メンテナンスは必須です。
棟板金とは、屋根の一番高い位置に設置している部材のことです。屋根の頂上部に生じる屋根材同士の隙間を覆って、雨風の浸入を防ぐ役割があります。
棟板金が強風や経年劣化などで剥がれたり、飛来物が当たって破損してしまうと、劣化箇所から雨が入り込む恐れがあります。
谷樋とは、屋根材同士が合わさる谷部分のことです。谷樋にも棟部分と同じように、継ぎ目を覆うための板金が取りるけられており、これを谷樋板金と言います。
谷樋は名前の通り「谷」になっているため、雨が溜まりやすい部分と言えます。通常は屋根に降った雨が谷樋を通って雨樋に流れていきますが、谷樋に破損や腐食が起きていると、谷樋に集まった雨がそのまま屋根内部に浸入してしまいます。
瓦屋根には漆喰が施されており、瓦の固定や瓦屋根に生じる隙間を埋める働きをしています。漆喰に剥がれや割れが発生すると瓦がズレて下地に雨が浸透してしまったり、劣化によって生じた隙間から雨が入り込む恐れがあります。
たとえ耐久性の高い瓦屋根を使用していても、漆喰部分は時間の経過とともに確実に劣化が進んでいくため、10~15年を目安に点検やメンテナンスが必要です。
雨樋が落ち葉やゴミで詰まってしまうと、排水がうまくいかずに雨水が溢れだし、軒先や外壁などに雨が当たって雨水が内部に浸入する可能性もあります。
また、雨樋の経年劣化や自然災害による影響で歪みや破損が起きてしまうと、上記と同じく排水に問題が生じて、思わぬところに雨がかかってしまう場合があります。
雨漏りの原因になるのは屋根だけではありません。以下のような場所からも雨漏りに繋がる恐れがあります。
・外壁のひび割れ
・目地やサッシ周りのシーリング劣化
・ベランダや屋上の防水劣化
外壁のひび割れが見られる場合は、早めの対処が必要です。雨漏りに発展するリスクが高まり、雨水が浸入すると外壁内部が腐食したり、建物全体に水分や湿気が回ってしまう可能性もあります。
また、外壁材同士の継ぎ目を指す目地部分や窓のサッシ周りに施工されているシーリングに関しても、経年劣化によってひび割れや剥がれを引き起こし、亀裂部分から雨水が入り込んでしまいます。
ベランダや屋上は防水性を高めるために防水工事が施されていますが、防水層に亀裂が入ったり、防水効果が低下してしまうと雨漏りに繋がります。
雨漏りの修理方法は、被害状況や屋根材の種類、雨漏りの場所によって異なります。主な補修方法は次の通りです。
費用相場は足場の有無によっても変動します。足場を設置する場合は20万円程度の追加料金が発生します。
一部に割れや破損がみられる場合で、被害も最小限に収まっている状態であれば、部分的な屋根材の差し替えで対応できる可能性があります。
費用は屋根材の種類や施工範囲によって大きく異なり、1万円~40万円程かかるケースもあります。
瓦のズレが起きている場合は、瓦の元の戻す作業を行います。費用は施工範囲や下地の状況によっても異なりますが、瓦のズレを直すだけであれば1万円~5万円程が相場となります。
割れや破損がみられる瓦は、破損した瓦1枚から交換が可能です。費用は1枚あたり1万円~5万円が相場です。
屋根のカバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい防水シートや屋根材を被せる方法のことです。劣化が全体に広がっている場合でも、下地にまで劣化が進行していなければ、カバー工法による修理が可能です。
カバー工法の費用は施工面積や使用する屋根材などによって変動ますが、100万円~150万円程が相場です。既存屋根の撤去費用がかからないので、費用を抑えて屋根のリフォームができます。
屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を撤去し、下地の修繕や補強を行ってから、新しい防水シートと屋根材に交換する工事のことです。屋根全体を一新できるため、耐久性向上にも繋がります。
下地にまで劣化が広がっていたり、雨漏りによる被害が大きい場合は葺き替えを行います。また、一度カバー工法を行っている屋根は再度カバー工法を行うことができないため、そのような場合も葺き替えで対応します。
葺き替えの費用は施工面積や既存屋根材・新規屋根材の種類、下地の状況などによって変動し、150万円~200万円が相場となります。屋根材を撤去する必要があるため、屋根修理の中でも最も高額な工事です。
棟部分や谷樋に設置されている屋根板金に破損や浮きなどが発生している場合は、部分修理または全体の交換を行います。
板金修理の際は、板金の下に設置されている貫板と呼ばれる木材の劣化状況を確認し、腐食が進んでいる場合は新しいものに交換します。その他に防水シートなどの状況もチェックし、新たに板金を取り付けます。
費用は施工箇所や劣化状況によって異なりますが、3万円~10万円程度が相場です。
瓦屋根の漆喰に劣化がみられる場合は、漆喰の補修が必要です。漆喰の補修方法には2通りあり、既存の漆喰の上から重ね塗りする方法と、既存の漆喰を除去してから漆喰を詰め直す方法です。
漆喰の補修にかかる費用は、劣化が軽度で施工範囲も小さければ3万円~10万円程が相場となりますが、広範囲にわたって詰め直しが必要な場合は10万円~40万円程かかるケースもあります。
雨樋の詰まりが起きている場合は、詰まりの原因である落ち葉やゴミを綺麗に取り除いて清掃します。雨樋が変形・破損している場合は新しいものに取り換える必要があります。
雨樋の清掃は3,000~1万円程で済みます。交換にかかる費用は施工範囲や素材などによっても変動しますが、1万~5万円程が相場です。
シーリングの補修方法は「打ち増し」と「打ち替え」の2通りあり、劣化状況や施工箇所によって適切な方法を選択します。
打ち増しは、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を充填する方法で、打ち替えの場合は、既存のシーリングを撤去してから新たにシーリング材を充填する方法です。
シーリング補修の費用は、打ち増しが1mあたり500円~900円、打ち替えは1mあたり900円~1,200円が相場です。
ベランダやバルコニー、屋上の防水層の破損や割れ、防水性の低下が起きている場合は、新たに防水層を作り直す必要があります。工法はいくつかありますが、大きく分けて「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の4種類あります。
一般的に戸建て住宅ではウレタン防水・FRP防水を採用することが多く、マンションや商業施設などではシート防水・アスファルト防水を用いるケースもあります。
費用は工法によっても異なりますが、1㎡あたり4,000円~8,000円が相場です。
雨漏りの原因は、屋根材の破損やズレ、板金の破損、雨樋の詰まりなどが挙げられます。雨漏りは建物に大きなダメージを与える症状ですので、早急なメンテナンスが重要です。
原因を特定する為には、徹底した調査と豊富な経験が必要です。そして、高い技術力と知識を持つ信頼できる業者に修理を任せることも大切なポイントとなります。
弊社では雨漏り調査・修理を一貫して請け負っています。カビ臭や天井のシミなどs、少しでも雨漏りが疑われる症状がありましたら、お気軽にお問い合わせください。