屋根や外壁は、普段の生活ではあまり目に触れない場所ですが、台風・強風・雪・雹(ひょう)・落雷など、自然災害の影響を最も受けやすい部分です。
そして、これらの突発的な損傷は火災保険で補償されるケースが多いことをご存じでしょうか。
「火災保険=火事のときに使うもの」というイメージを持たれがちですが、実際には住まいを守るための心強い制度であり、自然災害による屋根や外壁の被害にも広く対応しています。
このページでは、自然災害によって起こりやすい屋根被害の例と、火災保険の基本的な仕組みについて詳しく解説します。
火災保険というと、「火事のときに使うもの」というイメージが強いですが、実は自然災害によって屋根や外壁が壊れた場合にも適用されることがあります。
保険証券に「風災・雪災・雹災」という欄がある場合、次のような被害が認定されるケースがあります。

風災とは、台風・突風・強風などの“強い風”が建物に衝撃を与え、屋根や外壁などに破損が生じる自然災害のことです。
火災保険では、このような強風による突発的かつ偶然の損害が「風災」として補償の対象になります。
一般的な判断基準としては、3秒間の平均風速が20m/s(秒速20メートル)以上の強風が建物に影響した場合に、風災として認められることが多いです。
この程度の風速になると、看板が飛ばされたり、屋外で姿勢を保つことが難しくなるほどの力が働きます。
強風は一瞬で建物に大きな負荷をかけるため、普段は問題なく使える屋根材や板金であっても、思わぬ方向からの突風で浮き・割れ・飛散が起きることがあります。
【風災でよく見られる破損例】
・強風で棟板金(屋根の頂点の金属部材)が外れる・飛ぶ
・台風の後にスレートが浮いたりずれたりしている
・フェンス・物置・カーポート屋根などの屋外設備が風で破損する

雹災とは、直径5mm以上の氷の粒「雹(ひょう)」が上空から降り注ぎ、建物や家財に損害を与える自然災害のことを指します。
火災保険では、こうした雹によって突発的・偶然に生じた破損が「雹災」として補償の対象となります。
雹は積乱雲の中で成長し、高速で落下するため、瓦・スレート・窓ガラス・雨どい・カーポートの屋根などに大きな衝撃を与えることがあります。
大きなものではゴルフボールほどに成長し、落下速度が時速100kmを超えるケースも確認されており、短時間で広範囲に損傷が広がるという特徴があります。
【雹災で多い破損例】
・雹が当たってスレート屋根にひび割れが生じた
・雹の衝撃で屋根材や雨どいが欠けたり傷付いた
・外壁やカーポートに小さな凹み・割れが多数発生した

雪災とは、大雪・豪雪・雪崩などによって建物や家財に損害が生じる自然災害のことです。火災保険では、積もった雪の重さや落雪の衝撃で建物が破損した場合が雪災の補償対象になります。
雪は一見ふんわり軽そうに見えますが、実際には非常に重く、建物に大きな負荷をかけます。建築基準法では、建物の設計にあたり、以下のような雪の荷重を目安とすることが定められています。
一般地域:1m³あたり約200kg
多雪地域:1m³あたり約300kg
降った直後の雪は軽くても、上に雪が積もると下の層が圧縮され、徐々に重さが増していきます。さらに積雪後に雨が降ると雪が水分を含み重量が増すため、屋根材や板金の変形、雨どいの破損などの雪災が起こりやすくなります。
一方で、雪解けによる浸水(融雪洪水)は「水災」として扱われ、雪災の補償対象には含まれません。また、凍結による破損も雪災として補償されない場合があるため注意が必要です。
さらに、除雪作業中の事故も雪災の補償対象外ですが、作業中に他人の物を壊したり他人にケガを負わせたりした場合は、火災保険や自動車保険に付帯する「個人賠償責任特約」で補償される可能性があります。
【雪災でよくある破損例】
・大雪で雨どいがたわんだり、折れた
・雪の重みで屋根材や板金が変形した
・落雪によってベランダ屋根やカーポートが破損した
火災保険では、このような自然災害によって発生した突発的な破損が補償の対象になる場合があります。具体的には、次のようなケースです。

・強風で棟板金(屋根の頂上にある金属部分)が飛ばされてしまった
・台風のあと、スレートが浮いていたりズレているのに気付いた
・大雪の重みで雨どいが曲がり、水がうまく排水されなくなった
・雹(ひょう)が当たり、屋根材に細かな割れが大量にできてしまった
このようなケースの場合は、経年劣化ではなく突発的な自然災害によって生じた破損にあたるため、火災保険でも認められやすい傾向があります。
火災保険を利用して屋根修理を行うためには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。以下の3つの条件は、保険会社の審査において特に重視される重要なポイントです。

風災・雪災・雹災など、外部からの急激で偶発的な影響によって起きた破損が補償の対象となります。なお、長年の経年劣化や施工不良が原因で生じた損傷は対象外となるため注意が必要です。

保険法では、損害を知った日から3年以内に申請を行う必要があります。
期限を過ぎると保険金の請求が認められない場合もあるため、少しでも「破損しているかもしれない」と思ったら、早めに確認と手続きを行うことが大切です。
また、破損の原因や時期が自分では判断できない場合でも、専門業者による点検で自然災害による損傷かどうかを確認できるケースは少なくありません。
早めに点検を行うことで、被害の拡大を防ぐとともに、保険申請の準備もスムーズに進められますので、少しでも異常に気づいたら、早めに確認と手続きを行うようにしましょう。

すべての火災保険に自然災害補償が自動で付いているわけではありません。そのため、まずはご自身の契約内容をしっかり確認することが大切です。
契約書や保険証券には、どの補償が含まれているか、対象となる損害や条件が詳しく記載されています。もし分からない点があれば、保険会社や代理店に相談して、確認しておくと安心です。
火災保険の申請は、契約者本人が主体となって行うことが基本です。
一部には、「専門業者でないと保険金は受け取れない」と不安を煽り、申請代行を持ちかけて高額な手数料を請求する悪質な業者も存在します。
こうしたトラブルを避けるためにも、まずは自分で正しい手順をを理解しておくことが大切です。
一般的な火災保険申請の流れは、次のとおりです。

まずは、被害の内容・発生日時・損傷箇所を保険会社へ連絡します。電話やオンライン申請など、契約者本人でも簡単に申し込みが可能です。

屋根や外壁の損傷状況を確認し、修理にかかる費用の見積もりを作成してもらいます。こちらも契約者が直接業者に依頼できます。

申請に必要な主な書類は次のとおりです。
・修理見積書
・被害箇所の写真
・調査報告書(診断書)
ただし、必要書類は契約している保険会社や被害状況によって異なるため、提出前に必ず保険会社に確認し漏れのないよう準備することが大切です。

保険会社は、申請内容が正しいかどうかを確認するために、保険鑑定人(アジャスター)と呼ばれる専門スタッフを現地へ派遣します。
鑑定人は、事前に調整した日時に訪問し、以下のポイントを中心に調査を行います。
| 被害の範囲や程度 | 破損した箇所や劣化具合を細かく確認し、どの部分がどれだけ損傷しているかを判断します。 |
|---|---|
| 損害の原因確認 | 台風・雪・落雷などの「自然災害による損害」なのか、経年劣化や施工不良など「保険の対象外となる原因」なのかを見極めます。 |
| 必要な修理内容や妥当性の確認 | 見積書の内容が実際の被害状況と合っているか、修理費用が適切かをチェックします。 |
調査時間は被害状況によって異なりますが、一般的には約1時間程度です。この調査結果をもとに、最終的な保険金額が決定されます。

審査と現地調査が終わると、保険会社から保険金の支払い可否や金額が通知されます。
通知は郵送やメール、契約者専用のマイページなど、契約内容に応じた方法で届きます。内容や金額を確認して問題がなければ、保険金の受け取り手続きに進みましょう。
原則として、保険法第21条「保険給付の履行期」に基づき、手続き完了から30日以内に保険金が支払われます。
ただし、台風や大規模地震などで申請が集中する場合は、通常より時間がかかり、30日を超えることもあるため注意が必要です。

受け取った保険金をもとに、屋根や外壁の修理工事の契約を進めます。契約内容や工事範囲、費用をしっかり確認したうえで、工事を依頼することが大切です。

契約内容に基づき、屋根や外壁の修理工事が行われます。工事が完了したら、必要に応じて保険会社へ報告を行いましょう。
火災保険は、自然災害による「突発的・偶然の損害」を補償する制度です。そのため、損害の原因や状況によっては補償の対象外となる場合があります。
ここでは、代表的な事例をいくつかご紹介いたします。

建材の初期不良やリフォーム・修理工事の施工ミスによる損害は、火災保険の対象外です。
例えば、屋根材の欠陥や下地の不備、工事中の不注意で生じた破損などは、火災保険ではなく、施工業者の保証や契約内容に基づいて対応されます。

使用年数が経過することによって発生する劣化や破損は、火災保険の補償対象外です。
例えば、屋根材のひび割れや反り、コーキングやシーリングの劣化、塗装の剥がれや錆びなどは、長年使用した結果として発生する損傷と見なされます。
これらは自然災害による損害とはみなされないため、保険金の支払い対象外となります。

本人や第三者の意図的な行為や不注意によって発生した損害は、基本的に火災保険で補償されません。
例えば、除雪作業中に屋根や設備を壊してしまった場合や、自分で屋根に上って踏み抜いてしまった場合などは、保険金の支払い対象外となります。
ただし、契約内容や適用条件によっては例外もあるため、実際の状況を保険会社に確認することが重要です。

火災保険を使った屋根や外壁の修理で、「無料で直せます」や「絶対に保険が下ります」といった言葉で勧誘してくる業者には注意が必要です。
こうした業者の中には、契約者の不安や知識不足を利用して、不正な申請を誘導するケースがあります。特に、以下のようなケースには十分注意しましょう。
経年劣化や施工不良など、本来補償されない損害について、「風災・雪災・雹災として申請できる」と誤った案内をされることがあります。
こうした案内に従って申請すると、保険金が支払われないだけでなく、不正申請と見なされて契約が解除されたり、保険金の返還を求められたりする恐れもあります。
そのため、もし不安がある場合は、必ず保険会社に確認し正しい手順で申請を進めることが大切です。
実際の被害額以上の金額で申請させられたり、虚偽の申請をすすめられることがあります。
例えば、あたかも風で屋根が被災したかのように見せかけて屋根を故意に割り、見積金額を水増しして、より多くの保険金を得ようとする手口です。
こうした行為に従うと、不正請求となり、契約者本人も詐欺罪に問われる可能性があるので絶対に加担しないようにしましょう。
もしこのような提案を受けた場合は、すぐに加入している保険会社や行政が設置している相談窓口に相談しましょう。
信頼できる窓口に相談することで、早期に適切な対応を受けることができます。
「火災保険専門コンサルタント」を名乗り、信用させようとする業者も存在します。
こうした業者は、「専門家だから安心」と信頼させ、過剰な手数料を請求したり、不正な申請を誘導したりすることがあります。
しかし、火災保険の申請は原則として契約者本人が行うべきものです。専門家のサポートが必要な場合でも、必要以上に依存することは避け、冷静に申請手続きを進めることが大切です。
もし、不審な勧誘や申請手続きをすすめられた場合は、すぐに保険会社や信頼できる相談窓口に確認を取り、正しい手順で進めるようにしましょう。
火災保険は「火事のためのもの」と思われがちですが、実際には台風や大雪、雹などによる屋根や外壁の損害も補償対象となる場合があります。
日常では気付きにくい屋根の浮きや雨どいのゆがみといった小さな変化も、早めに点検し、適切に対処することで、被害の拡大や二次的なトラブルを防ぐことができます。
また、「プロでなければ保険金を受け取れない」と不安を煽ったり、過剰に無料サービスを強調する業者には十分注意が必要です。
株式会社佐藤では、被害診断から火災保険の活用、修理工事まで一貫して対応し、地域の皆さまが安心して暮らせる住まいづくりをサポートしています。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽に佐藤までご相談ください。
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